先日、東京23区の火葬場の料金値上げのニュースを耳にして、ちょっと事情を調べてみた。
これは初耳のことが多く、とても興味深いものだった。
東京23区内は全国でも珍しい、民間の火葬場があり、しかも23区内には全部で8の火葬場があり、内6場が民営で、公営は2場しかないのである。しかもその6場を運営しているのが、広済堂のグループ会社の東京博善という会社が運営している。現職の繋がりで、広済堂グループの印刷部門の方をお仕事をしたことがあったが、火葬場の運営もしていることは当時全然知らなかった。
全国平均で2万円ほどの火葬料が、今回、東京博善の値上げで9万円程になるという。正直、全く相場感がない人間からしたら、判断のしづらい事象ではあるが、良く考えると、近年の高齢化社会ではお墓事情は大活況であり、それは火葬場事情においても然りだと思うわけだが、仮に「9万円は高いから火葬はしません」という話しにはなりずらいと思う。ましてや葬儀は日常の生活圏で行われることが利便性の面からも好ましく、わざわざ遠く離れた安価な公営の火葬場に時間をかけて出向くということも考えずらい…そうなると、独占禁止法に触れることも考えられるわけだ。
また、今回の値上げの一連の流れには、中国系企業であるラオックスの資本参入の影響もあるようだ。
中国では宗教柄、土葬の文化もまだ根強く残っていて、火葬と土葬が5対5程度らしい。
今後は中国でも火葬文化を促進していくそうで、その足掛かりが今回の日本の火葬場事情への参入なのだと思う。
いずれにしろ、いずれは誰にでも訪れる死に関して、私たちにも最適な選択の余地を残して欲しい問題である。